新潟駅から歩いて行ける!「沼垂ビアパブ」で味わう、新潟らしいクラフトビール

沼垂エリアは、新潟駅から1km圏内にありながら、古くから続く味噌蔵や酒蔵が今もなお残る「発酵の町」としても知られています。その沼垂のまちなかの一角に静かに佇む「沼垂ビアパブ」。「生きた酵母が醸し出す深いコクと苦味」と「麦芽本来の甘み」を大切に、新潟でしかつくれないクラフトビールづくりを続けています。新潟だけでなく、全国のクラフトビール好きを魅了する人気のブリューパブです。

第13代にいがた観光親善大使の高橋さんと一緒にやってきたのは、新潟市中央区沼垂(ぬったり)エリアにあるブリューパブ「沼垂ビアパブ」です。

「ブリューパブ」とは、小規模の醸造所(マイクロブルワリー)と酒場(パブ)が一緒になった飲食店のこと。アメリカやイギリスなどではポピュラーな存在ですが、日本では全国的に見ても珍しいスタイルの飲食店です。

ビアパブの戸を開けると、どこか懐かしい雰囲気の漂う、レトロな内観が出迎えてくれます。カウンター席、テーブル席のほか、奥には和室も。

もとは沼垂の別の場所で営業していましたが、築50年の古民家をリノベーションし、2020年に移転オープン。細長い町家づくりの建物をうまく生かした、和風のビアパブです。

店内でひと際目を引くのが、びっしりとビール名が書かれたメニューボード。「○○エール」「IPA」というのは「ビアスタイル」のこと。クラフトビールには様々な「スタイル(種類)」があります。沼垂ビールでは、ブリティッシュエール、アメリカンエール、ヴァイツェンなど、クラフトビールの本場で親しまれる人気スタイルをベースに、新潟ならではのクラフトビールを自家醸造でつくり、提供しています。

「沼垂ビール」代表・創業者の高野善松さん。ブリューパブという形式で沼垂ビアパブをオープンしたのは、​​高野さんの「ドラフト・タル生・芳醇なクラフトビールをそのまま楽しんでもらえる場を作りたい」との思いから。

クラフトビールに詳しくなくても、ご安心を!高野さんやスタッフの方が丁寧に教えてくれるほか、テーブルメニューにも、各ビールの説明がわかりやすく記載されています。

初めて沼垂ビアパブを訪れた際におすすめなのが「飲み比べセット(1,500円)」。「コシヒカリヴァイツェン」「天の川ペールエール」「荒波IPA」「文旦エール」の4銘柄とおつまみ(スティックパン4種)がセットになった、お得なメニューです。沼垂ビールの特徴である「生きた酵母が醸し出す深いコクと苦味」と「麦芽本来の甘み」。それを体験するのに最適なセットとなっています。

まず1杯目は「コシヒカリヴァイツェン」からいただきます!

おいしい!
ほんのりとしたフルーティさと、たしかな甘みが感じられます。苦味はほどよく、飲みやすいです!すっきりしていて、1杯目に最適です。

続いては「天の川ペールエール」。琥珀色がとても綺麗です。

こちらも、おいしいです!
1杯目のヴァイツェンとまったく違った味わいにびっくり!コクがあり、深い苦味も感じられます。飲んだ後には、芳醇な香りが苦味とバランスよく混ざり、飲み応えがあります。

「荒波IPA」も、天の川ペールエールと同じペールエールタイプ。IPAは「インディア・ペール・エール」の略で、通常のペールエールよりも多くのホップを使用しているのが特徴です。ほんのり甘味がしたあと、ガツンとくる苦味が追いかけてくる感じがして、インパクトがあります!

「文旦ウィート」は、高知県越知町で栽培された柑橘類「文旦」を使用した「ウィートエール」というスタイルのビールです。ヴァイツェンとはひと味違ったフルーティさが楽しめました。

ビール酵母を使って焼き上げたスティックパン「勝太郎スティック」も絶品です。カリカリ感が癖になります。こちらも4種類のセットになっているので、飽きが来ません。ちなみに「勝太郎」という名前は、沼垂出身の歌手にちなんで名付けられたそうですよ。

「ブリューパブ」らしさを感じられる、おすすめの席があります。

ビアパブの奥にある和室からは、窓越しに醸造所を眺めることができるんです。

今回、特別に醸造所の中を見せていただきました。

和室からもよく見える、こちらの大きなタンクはビールの発酵タンク。タンク1基あたり300リットルのビールを仕込むことができるそうです。「手づくり」なのはビールづくりだけではありません。なんと、こうした醸造設備も高野さん自ら手がけているというから驚きです。

タンクごとに仕込むビールは異なり、それぞれ仕込みの方法がまったく違うのだそうです。その複雑な過程にびっくりしました!

たとえば、今回ビアパブでいただいた「文旦エール」。産地で長期間貯蔵し、酸味、苦味を落ち着かせた文旦を醸造所に送ってもらい、ビール酵母とともに発酵させるという、たいへん手間のかかる行程を経てつくられているそうです。

こうしたこだわりのビールづくりや、他地域とのコラボができるのも、小ロット生産・手づくりを貫いているからこそなのです。

醸造所でつくられたビールは、順次ビアパブに運ばれ、カウンター脇にあるタップ(注ぎ口)から提供されます。こちらのタップも、ひょっとして、、、?そう、やっぱり高野さんの手づくり!

2018年からは、ボトルビールの販売も開始。新潟駅をはじめ、新潟市内外の酒店やスーパーなどでも購入することができます。

素敵なボトルデザインにも注目です。こちらの「恋すてふ(こいすちょう)SABRO Hazy IPA」は、地元の日本画家、金子孝信氏の美人画を採用し、高野さんが考案したデザインと文章をもとに、デザイナーさんが仕上げているそうです。

醸造家本人のお話を直接聞けることも、ブリューパブならではの楽しみ方。カウンター席では、ビールづくりのことを情熱たっぷりに語ってくださいます。ビールだけでなく、沼垂や新潟というまちのことを、もっと身近に感じられるようになった気がしました。

醸造のまちで醸される、つくり手の思いが込められたクラフトビールの数々。そして、その魅力を体験できる、素敵な場。ぜひ一度、沼垂ビアパブに足を運んでみてください!

※ブルワリーは一般開放していません。
※撮影時のみマスクを外しています。


INFORMATION

沼垂ビール / 沼垂ビアパブ

所在地 : 新潟市中央区沼垂東2-9-5
アクセス : 【徒歩】「新潟駅」万代口より約20分 / 【車】「新潟駅」万代口より約10分、「新潟空港」より約20分
駐車場 : あり(2台)
電話 : 025-383-8720
営業時間 : 【火~金】17時~21時、【土】13時~21時、【日】11時30分~17時
定休日 : 月曜日
URL:http://nuttaribeer.co.jp/

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