江戸時代から続く老舗料亭で贅沢ランチを堪能!「日本料亭 行形亭(いきなりや)」

新潟の老舗料亭を語る上でかかせないのが、中央区にある「日本料理 行形亭(いきなりや)」。創業約300年以上を誇る老舗の料亭です。格式のある空間で、伝統的な日本料理を楽しめるとして、披露宴や芸妓を呼んで会食が行われることも。今回は第13代にいがた観光親善大使の高橋さんとご紹介します。

石畳を歩いて奥へと進みます。行形亭の歴史は古く、遡ること江戸時代中期。新潟が日本海側最大の港町と言われる頃、「浦島屋」という茶屋として創業。その後、料亭になりました。

敷地内には、茶屋だった際に建てられた建物も残されていて、当時の面影を残しています。当時料理を出していた部屋が残っていたりと歴史を感じる造りに。屋敷の前は藤棚の名所としても知られています。

新潟第一号として登録された人力車なども発見。屋敷の奥では、期間限定でカフェがオープンすることがあるそうです。

手入れが行き届いた庭も必見。新潟の砂丘地形を活かした、2000坪を超す敷地には、築山や池、樹齢数百年の自然木の黒松をはじめ、数々の古木が植えられていて四季折々の風情を堪能できます。庭の周りを囲むように部屋が配置されているので、季節の移ろいを感じながら食事を楽しめます。

庭では昭和50年まで鶴を飼育していました。そのため、トレードマークには鶴が描かれているそう。

庭を散策したら待望の食事へ。料亭と言うと格式高い印象がある人もいるかもしれませんが、今回大使がいただくのは昼のメニュー。夜より手頃な価格で本格的な会席料理を楽しめるので、旅先でのプチ贅沢にピッタリです。

食事をするための個室は、大小併せて11部屋。どの部屋も趣があり、そのうちのいくつかは、有形文化財に登録されています。芸妓を呼ぶことができるので、隣の部屋から三味線の音や唄が聞こえてくることも。

この日食事をするのは、4〜10人用の松の間。実はここにもおもてなしの工夫が散りばめられています。建物は2階建てで造られていて、1階で過ごすお客さんの上を歩かない様、2階の座敷は真上に造らないんだそう。時期によって掛け軸や花を変えたりと細やかな心配りを感じます。

ここにも鶴のモチーフを発見。

大きな窓からは庭が眺められ、落ち着いた空間で食事を楽しめます。

コースは数種類。厳選食材を使った職人の技が光る料理を楽しめる内容になっています。今回は、松、竹、梅、鶴のうち、竹(15,444円)を注文。献立を読むだけでも期待が高まります。

一品ずつペースに合わせて出てくる料理は、走り、旬、名残など季節感や節句ごとに変化。

この日、膳菜と吸い物には、初春に合わせて新潟らしいおせちやお雑煮が着膳。海老や鮑、錦卵、柳かれい、など縁起が良く、新潟らしい献立になっています。酢加減にも気をつけていて、氷頭鱠は、1ヶ月ほど寝かせて味をなじませているのでまろやかな酸味を感じられます。目にも楽しい料理の数々に、どれから食べるか迷ってしまうはず。

伝統を守りながらも、時代に合わせて味を変えているという行形亭。お酒を飲む人が多いため、味付けは甘すぎず、しょっぱすぎず、一口で食べられるようにしているそう。また献立に同じ食材を使わないようにバランスを考えて作られているので、最後まで新しい味に出会えるのも特徴です。

新潟のお雑煮は、醤油ベースで具材には大根やかまぼこ、いくらが入っているのが特徴。丁寧にとられた出汁が効いています。

注目は、明治初期から行形亭に伝わる名物の「かしわ味噌漬け」。良質なヒナ鶏を独自の調味料に漬け込み低温の油で揚げた一品です。鶏の旨味を引き立てる、上品な味噌のコクと甘みが堪りません。

ご飯は、佐渡産のコシヒカリを使用。鮭の焼き漬けといくらの醤油漬けをお供に。

高橋さんもふっくらとして甘みがあるお米に大満足。

食後の甘味も、正月に合わせた一品。栗きんとんには、西区特産のさつまいも、いもジェンヌを使用。味醂が隠し味になっています。メニューには、日本酒もあるので料理と合わせればさらに、食事を楽しめること間違いありません。

伝統の技で、新潟の食文化を守り続ける「行形亭」。長年愛されてきた味に出会えば、新潟の魅力をもっと知ることができるはずです。趣のある空間で贅沢な時間を楽しんでみませんか?


INFORMATION

日本料理 行形亭

所在地 : 新潟市中央区西大畑町573
アクセス : 【車】「新潟駅」より徒歩約10分
駐車場 : あり
電話 : 025-223-1188
営業時間 : 【昼の席】11時30分~14時【夜の席】17時~21時30分
定休日 : 日曜日・祝日※10名以上の場合昼のみ営業可(応相談)※お盆、年末年始は休み
HP : https://www.ikinariya.co.jp
備考:前日までに要予約

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