甘い香りに包まれる!豪農の館「北方文化博物館」で藤棚を鑑賞

新潟市江南区にある豪農の館「北方文化博物館」。江戸時代中期から続く越後屈指の大地主、伊藤家8代の歴史と、新潟の地方文化を伝える博物館です。

広大な敷地内には伊藤家の邸宅を始め、当時の様子がわかる建物が残されていたりと見どころ満載。今回は、5月の初旬にしか見られない藤棚の魅力も含めて、第12代にいがた観光親善大使の風間さんとご紹介します。

樹齢150年越えの大藤棚

北方文化博物館といえば、見逃せないのが大藤棚。

樹齢150年越えの大藤から広がる80畳ほどの藤の花は圧巻です。

可憐な花からは上品な甘い香りが漂い、辺りを包みます。

房は長いもので1m程。5月初旬から開花が始まり、GWの終盤には満開に。花の近くにクマンバチがいると満開なんだそう。

期間中はライトアップも開催。

昼間とは違う表情を楽しめますよ。

主屋棟、大広間棟で伊藤邸での暮らしを体感

伊藤家の暮らしを知るなら本邸へ。明治22年に5代当主が建てた近代和風大邸宅で、重厚な造りが特徴です。

60人もの使用人を抱えていた時代の賑やかさを感じられる主屋棟には、16人が一度に座れる囲炉裏や、通り土間などが当時の姿で残されています。

調理器具が並ぶ、約70坪の広々とした台所。使用人たちの食事場所としても使われていました。

女中の仕事部屋だった中の間には、歴代当主がコレクションしてきた美術品の一部が展示されています。1客5千万円程の鍋島焼や伊万里焼など貴重な品がたくさん。

南側廊下にある丸桁は会津で採れた1本杉。30mもあるため、阿賀野川から運ぶ際には、近隣の家を一度潰して建て直したんだそう。豪快なエピソードに風間さんもビックリ!

大広間棟には、庭園が一望できる約100畳もの巨大お座敷が広がります。

総欅造りの贅を尽くした大玄関が直結する最も格式の高い間になっていて、年に数回特別な行事の時だけ使用されました。柱が少ないことで庭園との一体感を感じられる造りになっています。

そこから見えるのは、5つの茶室が点在する広大な庭。鎌倉時代や室町時代に主流だった回遊式庭園になっていて、京都にある銀閣寺ゆかりの庭師によって5年がかりで造られました。秋には紅葉も楽しめますよ。

大広間棟と主屋棟の間には中庭があり、館を背景に四季の変化を感じられます。

ここに来たらチェックしたいのが、こちらの御影石。良い気のエネルギーが宿っていると言われていて、手をかざせば何か感じるかもしれませんよ。

邸宅の周りにある建物も必見!

正三角形の「三楽亭」は、明治22年に6代当主が自ら設計し、2年がかりで造った数寄屋風書院。書斎や茶室としてだけでなく、6代目が瞑想する部屋としても使用されました。

窓越しに中を見ると柱、建具、畳が三角形や菱形になっているのがわかります。

期間限定商品をお土産に

併設しているおみやげ処には、藤棚の時期だけ販売している商品があります。

新発田市の王紋酒造が作る日本酒「純米吟醸原種 八代 伊藤文吉(左・2,200円 / 720ml)」。北方文化博物館の藤の花の酵母で作った日本酒で、華やかな香りと軽い味わいが特徴です。三楽亭をイメージした「三角瓦(右・2,200円 / 常時販売)」もオススメ。

老舗菓子店が作る「藤まんじゅう(170円)」は、花びらをイメージした柔らかな皮で紫芋あんを包んだ饅頭。飛ぶように売れていく人気の一品です。

どちらも売り切れ次第販売終了なので、見つけたら購入してみてくださいね。

今回ご紹介した他にも、旧宅はなれ座敷や、新潟県内から移築し文化財として保存されている古民家、食事処や茶房などみどころはたくさん。さらに春は桜、夏は古代蓮、秋は紅葉と訪れる度に新たな発見がありそうです。気になった方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。


INFORMATION

北方文化博物館

所在地 : 新潟市江南区沢海2丁目15-25
アクセス : 【バス】新潟駅前より約50分 / 【車】「新潟駅」万代口より約30分
駐車場 : あり
電話 : 025-385-2001
営業時間 : 9時〜17時
定休日 : 年中無休
HP : https://hoppou-bunka.com

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