個性豊かなワイナリーが集まる 新潟市のワインの楽園「新潟ワインコースト」


新潟市街地から車で約40分。角田山の麓には個性的なワイナリーが集まる「新潟ワインコースト」があります。ワイナリーは全部で5軒。海の砂のような特異な土壌を活かして醸造家たちがワイン造りをしています。一面に植えられたぶどう畑を眺めたり、醸造家の話を聞きながら試飲、芳醇な香りが漂う醸造所の中を見学できたりなど楽しみ方は様々。今回は第14代にいがた観光親善大使の山賀さんと見学や試飲ができる4店舗を紹介します。
- 新潟ワインコーストを代表する滞在型ワイナリー「カーブドッチワイナリー」
- ぶどう畑を眺めながら自家醸造ワインと香り豊かなフレンチを堪能「フェルミエ」
- 醸造家の想いを聞きながら飲み比べを楽しめる「ドメーヌ・ショオ」
- 香り高くやさしい味わいのきれいなワインに出会える「ルサンクワイナリー」
新潟ワインコーストを代表する滞在型ワイナリー「カーブドッチワイナリー」

「カーブドッチワイナリー」は、新潟ワインコーストを代表するワイナリー。「国産生ぶどう100%、かつ欧州系のワイン専用種100%のワインを造る」という当時では考えられなかった目標を掲げ、ワイン未開の地を世界に誇るワイン産地にしようと1992年にスタート。新潟ワインコーストにワイナリーを構える醸造家を輩出した醸造所です。

敷地内には、訪れた人がワイン造りの現場に触れ、ワインや料理を愉しみ、豊かな時間を過ごせるような空間やサービスが充実。ワイナリー見学ツアーを毎日開催しているほか、ホテル、温泉施設、レストラン、カフェ、マルシェ、スパなどがあり滞在型のワイナリーになっています。

ぶどう畑では、適性品種「アルバリーニョ」を始め多くの品種を栽培。体に染み込む優しいワインを目指して造っています。

ショップにはカーブドッチワイナリーで醸造されたワインを中心に厳選された商品が並びます。人気は、自園のぶどうを使ったフラッグシップワインの「SABLE(左)」。赤、白があり、カーブドッチワイナリーがある砂地のニュアンスを表現しています。食用ぶどうで造る「FUNPYシリーズ(中央)」や優しい味わいの「どうぶつシリーズ(右)」などにも力をいれているそう。カウンターでは一杯300円から試飲を楽しめます。

ワイナリーツアーは、畑や醸造室の見学、テイスティングだけでなく、樽庫、セラーに入れたりと、ワイン好きには堪らない体験ができます。
カーブドッチワイナリーは、ショッピングや試飲ができるだけでなく体験も充実しているので、ワインに馴染みがない方でも楽しめます。
INFORMATION
カーブドッチワイナリー
所在地 : 新潟市西蒲区角田浜1661
アクセス : 【車】新潟駅から約40分 / 【バス】「新潟駅」からJR越後線乗車、内野駅下車後、送迎バスで約20分
電話 : 0256-77-2288
営業時間 : 10:00~17:00
定休日 : 年中無休
HP : https://www.docci.com
備考 : 送迎バスは要予約
ぶどう畑を眺めながら自家醸造ワインと香り豊かなフレンチを堪能「フェルミエ」

「フェルミエ」は、カーブドッチワイナリーで修行を積んだ醸造家・本多孝さんが、2006年にオープン。新潟ワインコーストでは、カーブドッチワイナリーに続き2軒目となるワイナリーです。

南フランスの田舎にある民宿「シャンブルドット」の建物をイメージした店内は、温かくリラックスできる雰囲気。ショップやレストランが併設しており、カウンターでは200円から試飲を楽しめます。

フェルミエがワイン造りで目指すのは「新潟の自然が素直に現れる良いワインを造ること」。ドメーヌ・ワインを中心に自然の力を最大限に活かし、ストレスをかけない製法で作られています。野生酵母による自然発酵や、重力を利用した移動方法を採用、添加物も最小限に。機械だけに頼らず、手作業を大切にした丁寧な醸造で、繊細で土地の魅力を感じる個性豊かな味わいを実現。栽培から醸造まで醸造家の想いが込められたワインは、多くの人に愛されています。
人気は、自園のぶどうを使った「エルマール・アルバリーニョ(右から2番目)」。日本海に近い土壌で育つアルバリーニョの特徴、塩味やミネラルを感じるフェルミエのトップキュベです。香ばしい香りと優しい味わいを感じる「ピノ・ノワール(右)」もお試しを。新潟の風景がテーマのシリーズ「田園」、「夕陽」、「花火」は、ラベルに貼絵画家の絵画がデザインされています。


レストランでは窓からぶどう畑を眺めながら、自家醸造ワインと香り豊かなフレンチのコースを楽しめます。オプションでコースの料理に、相性のいいワインを一杯ずつセレクトした「ワインペアリング」を追加することも。アラカルトもあるので、気になるワインと合わせてみてもよさそうです。


ワインについてより詳しく知りたい方はワイナリーツアーがおすすめ。金曜日から月曜日に開催されていて、醸造風景や畑を見学できるだけでなく、4種類のワインのテイスティングを楽しめます。
INFORMATION
フェルミエ
所在地 : 新潟市西蒲区越前浜4501
電話 : 0256-70-2646
営業時間 : 10:00〜17:00 レストランは11:00~16:00(L.O.コース14:00、ア・ラ・カルト15:00)
定休日 : 火曜日、不定休
HP : https://fermier.jp
備考 : ワイナリーツアーは要予約
醸造家の想いを聞きながら飲み比べを楽しめる「ドメーヌ・ショオ」

「ドメーヌ・ショオ」は、大学、大学院の博士課程で微生物の研究をした醸造家小林さんが営むワイナリー。

扉を開けるとワインのボトルがお出迎え。店内では、購入や試飲ができます。

フラッグシップワインの「水の綾(右)」は自園のぶどうを使った一本。トップに樽のいい香りが立ち上がる「Slept till waking up / 起きるまで寝てた(右から2番目)」は新潟市内の契約農家のぶどうを使用。「Why don’t you go beach ? / ビーチ行かない?(右から3番目)」や「Experience(左)」など全国から厳選したぶどうを使ったものもあり、産地によって異なる味わいを楽しめます。
ぶどう畑の名前からつけられた「水の綾」、「雲見」や「山笑」や、他に「ふうせん花束」、「ビーチ行かない?」など、名前からは味が想像できないのも魅力の一つ。ラベルも印象的で、デザイナーや知人、小林さんのお子さんが描いたイラストがデザインされています。人とのつながりを大切にする小林さん。ぶどう農家との会話や友人とのコラボレーションから造ることもあるそう。

自然な栽培、醸造方法で「ひとり1本飲めるワイン」を目指すドメーヌ・ショオ。微生物や小動物などぶどう畑を取り巻く環境を考え、ぶどうは無農薬で栽培。醸造の際には、ぶどうの個性を大切に、手を加えすぎないよう気をつけているそう。出来上がったワインは優しく浸みわたり、瑞々しい旨味に溢れた味わいで、飲みやすいのが特徴です。

併設する試飲コーナーでは、200円で人気のワインを試すことができます。

小林さんがカウンターに立つことも。醸造家の想いを聞きながら飲むワインは格別。一層楽しめること間違いありません。
INFORMATION
ドメーヌ・ショオ
所在地 : 新潟市西蒲区角田浜1700-1
電話 : 0256-70-2266
営業時間 : 11:00〜16:00
定休日 : 火・水・木曜日、不定休
HP : http://www.domainechaud.net
香り高くやさしい味わいのきれいなワインに出会える「ルサンクワイナリー」

「ルサンクワイナリー」は、フランス語で数字の「5」を意味する名前の通り、新潟ワインコーストで5番目にオープンしたワイナリー。2015年から「トラディショナルでエレガント」をモットーに、テロワールや品種の特徴を素直に生かした、香り高くやさしい味わいのきれいなワインを追求しています。

中米の海のリゾートをコンセプトにした建物にはショップが併設。開放的な空間となっています。ワイナリーのあるエリアで栽培している自園のぶどうのほか、新潟県内や福島・山形の厳選したぶどうも使用して、やさしく丁寧に造っているワインのボトルが並びます。

店内ではワインの試飲を楽しめます。醸造家の阿部さんが自らおすすめのワインを紹介してくれるので、好みがあれば相談するのがおすすめ。醸造の様子や銘柄の特徴などを聞きながら飲み比べられるのも、ワイン好きにとっては嬉しいポイントです。8月〜11月の醸造の繁忙期以外はワイナリーの見学もできます。

代表銘柄は、自園のぶどうを使った、バラを想わせる気品のある香りと、エレガントで繊細な味わいが特徴の「ピノ・ノワール(中央)」。みかんなどの柑橘類を想わせる香りと、優しい酸が感じられるオレンジワイン「セイベル&ミュラー・トゥルガウ(左)」や、フルーティな香りとプラムを想わせる豊かな味が心地よい「デラウェア(右)」なども人気です。
INFORMATION
ルサンクワイナリー
所在地 : 新潟市西蒲区角田浜1693
電話 : 0256-78-8490
営業時間 : 10:00〜16:00
定休日 : 水曜日、不定休
HP : https://lecinqwinery.com
備考:ワイナリーの見学は要予約

新潟ワインコーストのワインは、カーブドッチワイナリーのコテアコテマルシェでも購入できます。

土、日曜日限定で営業しているワイナリー「カンティーナ・ジーオセット」の商品もあるので、立ち寄ってみてくださいね。
極上のワインと、自然豊かな景観、情熱的な醸造家と出会える新潟ワインコースト。訪れれば新たな発見と感動が待っています。最寄りの駅からシャトルバスが運行しているのでアクセスも簡単。新潟市を訪れる際はワイナリー巡りで素敵な思い出を作ってみてはいかがでしょうか?