知る人ぞ知る、ちょっとディープな新潟特集

日本海側最大の政令指定都市、新潟市。市内には、おいしいお米や日本酒を楽しめるグルメスポットや、開港五港の面影を感じる歴史スポットまで、観光スポットがたくさんあります。今回の記事では一歩踏み込み、知る人ぞ知る隠れた名店や、地元の人々が大切にする地域のお店、面白いスポットまで「知る人ぞ知る、ちょっとディープな新潟市のスポット」をご紹介します。

下町の情緒あふれる老舗居酒屋「さい三郎 」

新潟市中央区の下町(しもまち)エリアにひっそりと佇む「さい三郎」は、30年以上にわたって愛される居酒屋です。新潟が誇る地酒と、季節ごとに変わる地元の新鮮な食材を使った料理が自慢。

入店してまず驚くのが、日本酒の品揃えです。カウンター、壁など、店内のいたる所にびっしりと並ぶ地酒の数々は、圧巻のひとこと。新潟を代表する定番銘柄から、なかなかお目にかかれない希少な特別酒などもあり、遠方から訪れる日本酒ファンもいるのだといいます。

地元の人々に長年愛される「さい三郎」の看板メニューが「若鳥半身唐揚げ(847円)」。鳥の半身揚げは新潟名物のひとつですが、同店ではカレー味や塩コショウ味のほか、ガーリック味も提供。いずれも門外不出、オリジナルの味付けです。風味豊かな味わいは、ビールはもちろん、日本酒との相性も抜群。どんな銘柄にも不思議とマッチする絶品です。

店内のいろいろな場所に掲げられた、味のある手書きメニューも必見です。「三面川の鮭のさけびたし」は新潟県北部(県北)にある村上地域の特産品のひとつ。他にも「村上産」と書かれたメニューが多く目に入りますが、それもそのはず、ご主人は県北エリアのご出身。休みになると自ら車を走らせ、食材の仕入れを行うことも多いのだそうです。県北の郷土料理もぜひ楽しんでみてください。

INFORMATION

さい三郎

所在地 : 〒951-8063 新潟県新潟市中央区古町通11番町1690
電話 : 025-224-8967
営業時間 : 18時 – 23時
定休日 : 月、火曜日
駐車場 : なし(周辺の駐車場をご利用ください)

新潟が誇る大福の名店「さわ山」

新潟市中央区の下町エリアにある「さわ山」は、新潟産の上質のもち米・飯米を使った昔ながらの味にこだわる老舗菓子店です。大福、きんぴらを使った餅や、新潟名物でもある笹だんごのほか、季節を感じる和菓子を求め、連日多くのファンが訪れます。

「さわ山」を代表するメニューといえば、こちら。「名代 大ふく」は、北海道産小豆をたっぷり使った粒あんを柔らかい薄皮の餅で包んだ大福です。特長は、その甘さ控えめのやさしい味わい。創業した大正時代当時から変わらない味を守り続ける「新潟の味」のひとつです。「新潟の大福といえば、これ」と話すファンも多い、新潟を代表するお菓子のひとつです。

大福と並んで人気なのが「ごぼう団子」。甘辛く煮たきんぴらごぼうを、新粉餅で包んだ団子です。ほどよいシャキシャキ感のある甘辛きんぴらごぼうと、もちもちの皮とのバランスが絶妙。

取材中も、大福を求めるお客さんが跡を絶ちません。ショーケースに丁寧に並べられた商品が、次々に売れていきます。中には数十個単位で買い求めるお客さんもおり、人気の大福やごぼうだんごは正午前に完売してしまうことも。訪れる際は、午前中早めの来店をおすすめします。

INFORMATION

さわ山

所在地 : 〒951-8023 新潟県新潟市中央区夕栄町4513
電話 : 025-223-1023
営業時間 : 8時~18時
定休日 : 火曜日(月火連休あり不定)
駐車場 : あり
HP : https://www.sawayama-dango.com/

歴史と風情が交差する「西大畑エリア」

新潟市の西大畑エリアには、「どっぺり坂」という名の坂があります。ユニークな名前ですが、その由来には、いくつかの説があります。最も興味深いのはドイツ語の「doppel(ドッペル)」に由来するという話。

かつて坂の上には、旧制新潟高校の寮がありました。近くのこの坂を下れば、活気あふれる繁華街が生徒たちを誘います。そこで、「街遊びに明け暮れていたら、落第してしまうぞ」という意味を込めて、「ドッペル」(英語でいう”ダブル”=ダブる、つまり学年を繰り返すこと)から名付けられたとか。

現在でも、坂の上に立つと、新潟の市街地を望むことができます。坂の名前自体に「遊びに夢中になりすぎて、学業をおろそかにしてはいけないよ」という、先輩たちからの愛ある戒めが刻まれているーー。そう考えると、ただの坂ではなく、学生たちの青春の1ページが刻まれた道でもあります。

西大畑エリアを訪れたら立ち寄りたいのが、2022年に新しくオープンした「異人池建築図書館喫茶店」。建築設計事務所「EA」が手掛ける、図書館と喫茶、コワーキングスペースが一体となったパブリックスペースです。

注目したいのは、新潟の自然の恵みをデザインに落とし込んだ空間づくり。新潟県産の杉を使った本棚のほか、カウンターには信濃川の砂利を取り入れるなど、地元の素材を用いた内装にも注目。本棚の一部には黒ガラスが埋め込まれており、窓からの新潟の景色が写しこむ仕掛けになっているなど、建築事務所が手がける空間ならではの意匠も楽しめます。

INFORMATION

どっぺり坂

所在地 : 〒951-8104 新潟県新潟市中央区西大畑町5220-18


異人池建築図書館喫茶店

所在地 : 〒951-8104 新潟県新潟市中央区西大畑町591-1 異人池ハウス 2F
営業時間 : 10時〜21時
定休日 : 火曜日
駐車場 : なし(周辺のコインパーキングをご利用ください。)
HP : https://ea-o.jp/works/shop/異人池図書館喫茶店/

新潟駅界隈の穴場飲食店街「駅前楽天地」

新潟市の玄関口のひとつ、JR新潟駅前にある「駅前楽天地」は、昭和レトロな雰囲気が漂う飲食店街。インパクトある看板が目を引きます。入り組んだ路地の中には、クラフトビールを数多く取り揃えたバーや、ベトナム料理店など、実に多彩。若手オーナーによる個性的なお店もオープンするなど、新潟の隠れたグルメスポットとして人気です。

INFORMATION

駅前楽天地

所在地 : 〒950-0901 新潟県新潟市中央区弁天3丁目2-23

「有名な観光地はひととおり回った」「地元の人に愛されるディープなお店に行ってみたい」という方は、まちあるきも兼ねて、ちょっとディープな新潟を楽しんでみてはいかがでしょうか。

※営業時間や定休日、価格等は令和6年4月現在のものです。変更となる場合がありますので、詳細は店舗へ直接ご確認ください。

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