#まちあるき #紅葉 #着物 #商店街 #みなとまち

日本海と日本一の大河・信濃川に囲まれている新潟島。江戸時代は北前船の寄港地として、また江戸末期から明治初期にかけて横浜・神戸・長崎・函館と並び開港された五港のひとつとして知られるみなとまちです。新潟島は北前船や多くの商人が行き交う旅人の町として繁栄。海運業で得た利益をもとに豪商・齋藤家や、訪れた旅人の交流の場やおもてなしの場として「古町花街」などの文化が生まれました。そんな歴史を色濃く残すまち並み、建物や文化を現在も多くとどめています。「萬代橋」、「旧新潟税関庁舎」、「旧齋藤家別邸」、「新潟県政記念館」、「白山公園」といった明治・大正期に造られた重要文化財や名勝が密集しているのは、全国的にみても珍しいことなのだとか。
水の都である新潟を象徴する新潟島を巡るなら、効率よくまちを巡ることができる新潟市観光循環バスがおすすめ。JR新潟駅万代口のバスターミナルから乗車し、いざ、みなとまち・新潟島を旅しましょう。

旅の行程

  • 01. 手ぶらでOK! まずは和装に着替えて大変身
  • 02. 豪商も眺めた名園で時間も忘れるひとときを
  • 03. “一品に感動を、一食に満足を”がモットーの名店で寿司ランチ
  • 04. 水と調和する歴史博物館でみなとまちの今と昔を感じる
  • 05. 願懸け高麗犬で開運祈願をして旅を締めくくる
  • [ 番外編 ] 足を延ばして“カミフル”商店街を散策

和gen

01.手ぶらでOK! まずは和装に着替えて大変身

歴史ある建物や風情残るまち並み・石畳の通りには、洋服より着物姿がよく似合う!
きっかけがないと、なかなか着ることのない着物。せっかくだから、目的に合わせた装いに着替えれば、より旅気分も高まるはず。

新潟市観光循環バスを「古町花街入口」で下車して徒歩約1分。
古町通にある「和gen」は着物や和雑貨を取り扱うお店です。
着物の販売からメンテナンス、仕立てまで行なってくれる、和服・和装の専門店。「着物屋ってちょっと入りづらい」なんていう人もいるかもしれないですが、こちらのお店に関してはそんな心配は無用!和装に身を包んだスタッフさんが今風の着こなしを教えてくれます。

かわいらしい柄のカジュアル着物の貸し出しは1日7,700円(税込)。
持参するものは足袋だけで、着物や小物、草履からバッグまで一式借りることができます。
着物は、10種類の柄の中からお好みをチョイス。どれもかわいいので、結構悩みます!
悩んだ結果、私はスタッフさんおすすめの、レトロな赤いストライプ柄の着物を選びました。

自分で着物を着るのってむずかしい…。というか分からない…。
でも大丈夫、スタッフさんが驚きの早業で着付けしてくれるので、旅行者でも気軽に着物をレンタルすることができますよ!

「普段は着る機会が少ない着物ですが、もっと気軽に和装に親しむきっかけになると嬉しいです。女性はもちろん、男性用の着物も多く取り揃えています。お友達同士でも、カップルでも。素敵な思い出になること間違いなしです」とスタッフの五十嵐 朱音さん。

素敵な着物に身を包んでまちをゆっくりと巡れば、かけ足での観光では見えてこないもの、感じることのできないものに出会えるかもしれません。

INFORMATION

和gen
新潟市中央区古町通7-934-4
tel.025-222-5678
11:00~19:30(日曜は~19:00)
水曜、第1・3火曜定休
提携駐車場あり
※着物のレンタルは前日までの要予約
和genHP https://niigata-wagen.com/


旧齋藤家別邸

02.豪商も眺めた名園で時間も忘れるひとときを

着物に着替えたら、「和gen」から徒歩で約7分、和装が映える国指定名勝の「旧齋藤家別邸」へ向かいます。

「旧齋藤家別邸」のある西大畑町は高台にあり、喧騒を外れた土地柄からか、明治期に入ると新潟の豪商や豪農が別荘を建てたり、外国人が移り住んだりと高級住宅地としての開発が進みました。周辺には学舎や官舎などが建てられ、当時の文化や歴史を感じさせる建物が今もなお多く残っています。
西大畑町に家や別荘を持っていることはステータスになっていたわけですね。

「旧齋藤家別邸」は、北前船での商売や銀行業、化学工業の会社などを経営し新潟の三大財閥のひとつに数えられた豪商・四代齋藤喜十郎が客人をもてなすために1918年(大正7年)に建てた別荘。大正時代のみなとまち・新潟の繁栄ぶりを伝える文化財です。

邸宅に入ると、まず目に飛び込んでくるのは美しい回遊式庭園! すごい解放感…!
「旧齋藤家別邸は、庭園と建物を一体として考える“庭屋一如(ていおくいちにょ)”という考えのもと建築されています。庭園に面したガラス戸はすべて開けることができ、すごい解放感ですよ」と教えてくれたのは学芸員の久保有朋さん。
また、直射日光が入らないよう北向きに設計されていて、とっても涼しい。庭園鑑賞と避暑を最大限に考慮して建てられた建物です。

敷地内には庭園のビューポイントがたくさん。縁側に腰を下ろせばまるで庭園の中にいるような感覚になれるし、戸から少し離れて眺めればまるで額縁の絵を見ているよう。
同じ庭でも、見る場所によって見え方が全く変わるのも魅力ですね。

砂丘地形をいかした涼しげな山と渓谷の風景を再現した庭園。
青々した新緑もいいですが、毎年11月下旬から見ごろを迎える紅葉は格別の美しさ!
100本以上のモミジ類が赤・黄・緑のグラデーションで秋ならではの表情を見せてくれます。

大広間では、庭園を眺めながら抹茶と季節の和菓子を500円(税込)で楽しむことができます。
抹茶を飲みながら美しい庭園をゆっくりと眺める――。時間も日常も忘れてしまう贅沢なひとときを過ごすことができます。

INFORMATION

旧齋藤家別邸
新潟市中央区西大畑町576
tel.025-210-8350
9:30~18:00(10月~翌年3月は9:30~17:00)
月曜定休(祝日の場合は翌日。年末年始休みあり)
入館料:一般300円(税込)、小中学生100円(税込)
駐車場なし
※「新潟市美術館」第2駐車場を利用可(無料・徒歩約3分)
旧齋藤家別邸HP http://saitouke.jp/


鮨・割烹 丸伊

03.“一品に感動を、一食に満足を”がモットーの名店で寿司ランチ

着物でこの地区を旅するなら、伝統文化を体感できる古町花街のお店で食事をしたい!

「旧齋藤家別邸」から徒歩8分。
向かったのはみなとまち・新潟とともに歩んできた花街・古町。
古町花街の中でも特に風情ある鍋茶屋通り沿いにある「鮨・割烹 丸伊」は、昭和49年に開店した新潟のすし店の代表格と言えるお店です。

板前さんとの会話を楽しめるカウンター席や、つい長居してしまう掘りごたつ式の小上がり席、接待などにも最適な格式ある個室など、さまざまなシーンで活用でき、「特別感のあるお店」として地元の人や観光客で賑わいます。

毎朝市場で仕入れるネタは新潟・佐渡沖で獲れた地魚を中心に30種以上。仕入れたネタはその日のうちに使い切るので、常に新鮮!
シャリは契約農家の従来品種のコシヒカリにこだわっていて、米本来の甘みがネタを一層引き立てています。
イチオシは『極み』(お椀付き)3,500円(税抜)。新潟の地魚とウニ・トロ・イクラの特上握り10貫をお得に味わえます。

地酒や郷土料理も豊富に揃う「鮨・割烹 丸伊」。
新潟の魚と米の美味さを満喫できるお寿司で幸せな気分になれますよ!

INFORMATION

鮨・割烹 丸伊
新潟市中央区東堀通8-1411
tel.025-228-0101
11:30~14:00/17:00~22:30
無休
98席(小上がり20席、カウンター12席、座敷66室)
駐車場なし
鮨・割烹 丸伊HP http://www.sushi-marui.com


新潟市歴史博物館みなとぴあ

04.水と調和する歴史博物館でみなとまちの今と昔を感じる

新潟市観光循環バスを「歴史博物館前」で下車。
新潟市の歴史的な資料を展示する「新潟市歴史博物館 みなとぴあ」は、みなとまち・新潟を象徴する建物であり、開港当時の姿を色濃く残す歴史文化ゾーンになっています。
信濃川の河口にあるため、ときには佐渡汽船の大きなフェリーが行き来する様子を見ることができます。

明治時代に建てられた2代目新潟市庁舎のデザインを取り入れた博物館本館内には、「水の都」新潟の資料を数多く展示。水運や農業など、さまざまな「水」と深く関わってきた人々の暮らしや歴史を学ぶことができます。

敷地内には、開港5港当時の税関として唯一現存する建物で、国の重要文化財の「旧新潟税関庁舎」や国登録有形文化財になっている「旧第四銀行 住吉町支店」を移築・復元したレストラン「ぽると カーブドッチ」などのレトロな雰囲気の建造物が並び、明治時代にタイムストリップしたかのような雰囲気!

新潟の歴史を学んだあとは、みなとぴあ脇から萬代橋まで続くエリア「みなと・さがん」で川を吹き抜ける風を感じながら信濃川を眺めたり、ベンチに座ってのんびり過ごして。

INFORMATION

新潟市歴史博物館みなとぴあ
新潟市中央区柳島2-10
tel.025-225-6111
9:30~18:00(10~3月は~17:00)
月曜定休(祝日の場合は翌日)
見学無料
※常設展示の観覧料:一般300円(税込)、大高生200円(税込)、小中学生100円(税込)
駐車場73台
新潟市歴史博物館みなとぴあHP http://www.nchm.jp/index.html


湊稲荷神社

05.願懸け高麗犬で開運祈願をして旅を締めくくる

「新潟市歴史博物館みなとぴあ」から徒歩約5分とすぐ近く。
みなとまちの文化が残る新潟島には少し変わった作法の神社が多くあって、「湊稲荷神社」もそのひとつ。「願懸け高麗犬(こまいぬ)」が有名な神社です。

「願懸け高麗犬」のお作法は、狛犬(こまいぬ)の台座が回せるようになっていて、心に願いごとを念じながら、女性は左、男性は右の狛犬を回しながら願懸けをするというユニークなもの。

回してみると、思ったより重くて力がいる…!
けれど、ご利益のために頑張ろう!

300年もの歴史がある「湊稲荷神社」は、みなとまちとして賑わっていた江戸末期より古町花街の信仰を集め、通称「道楽稲荷様」と呼ばれていました。
この少し変わった習わしもその頃から続くもので、愛する船乗りと離れることが名残惜しく感じた女性が、海が荒れて船乗りが出港できないようにと高麗犬の向きを変え、荒天祈願をしたという逸話が始まりだとも言われています。

ほかにも、水みくじや三角みくじ、花の匂いがする華の筒みくじなど、変わり種みくじもたくさんあります。

みなとまちとして栄えていた時代から親しまれていた「願懸け高麗犬」。
現在でもこれを目当てに、さまざまな願いを持った人が県内外から訪れる場所になっています。
心に願いごとを念じて回せば、きっと叶えてくれますよ。

INFORMATION

湊稲荷神社
新潟市中央区稲荷町3482
tel.025-222-6549
終日開放
駐車場6台
湊稲荷神社HP https://komainu-minatoinari.com/


[ 番外編 ] 足を延ばして“カミフル”商店街を散策

大きな赤い鳥居がシンボルの白山神社からまっすぐのびた古町通。その古町通の1~4番町からなる上古町商店街、通称「カミフル」には飲食店からお土産店まで個性的なショップが目白押し!
昔ながらの老舗やおしゃれなショップが入り混じるカミフルもぜひ立ち寄って。

金巻屋

老舗菓子店の創作菓子に注目!

明治4年創業。伝統菓子に加え、創作菓子も多数展開。
新潟発祥のおやつ、ぽっぽ焼きのモチモチとした食感をイメージして作られている『カミフルぽっぽ』はカミフルの新名物として大人気!

INFORMATION

金巻屋
新潟市中央区古町通3-650
tel.025-222-0202
9:00~17:45
無休
駐車場なし
金巻屋HP http://kanemakiya-mizukian.com/

hickory03travelers

おしゃれな新潟土産探しはココで!

「日常を楽しもう」というコンセプトのもと、活動するクリエイティブ集団・hickory03travelersのショップ。金平糖を思わせる見た目が特徴のお菓子『浮き星』が定番。そのまま食べるのはもちろん、紅茶に浮かべたり、アイスにトッピングしたりと、いろいろな楽しみ方ができるのも魅力!

INFORMATION

hickory03travelers
新潟市中央区古町通3-556
tel.025-228-5739
11:00~16:00(土曜は~18:00、日曜・連休最終日は~17:00)
月曜定休(祝日の場合は翌日)
契約駐車場あり
hickory03travelersHP http://www.h03tr.com/

古町糀製造所

糀の魅力をドリンクでおいしく発信!

酒蔵、味噌蔵の糀を使ったドリンクが楽しめます。糀の自然なやさしい甘さをいかしつつ、フルーツの果汁などで割って飲みやすく提供。カップドリンクのほか、ギフトにぴったりな瓶詰も用意しており、カミフル散策の休憩スポットとしても人気です。

INFORMATION

古町糀製造所
新潟市中央区古町通2-533
tel.025-228-6570
10:00~17:00
火曜定休
駐車場なし
古町糀製造所HP http://www.furumachi-kouji.com/

久遠チョコレート 新潟

地元の素材をいかしたこだわりのチョコレート

テリーヌの型を使った『久遠テリーヌ』が看板商品。ビター、ミルク、ホワイトのチョコレートに、ドライフルーツやナッツなどさまざまな食材を組み合わせた約30種類の味を用意します。おすすめは、村上茶と雪室で寝かせたコーヒー豆を使った新潟オリジナルのテリーヌです。

INFORMATION

久遠チョコレート 新潟
新潟市中央区古町通3-557-3
tel.025-201-8302
10:30~18:00
火曜定休
駐車場なし
久遠チョコレート 新潟HP https://aopoco.com/quonchocolate-niigata.html


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